コメディ

フランス映画『ボン・ボヤージュ~家族旅行は大暴走~』で、爽快に笑おう!

あらすじ

 家族4人が巻き起こす、痛快コメディ。夏休み、コックス家族は、新車で旅行へ出かける。ひょんな事から、父親の父・おじいちゃんが現れ、5人で旅をする事に。新車で快適なドライブだったはずが、メカトラブルから、暴走車に!!家族5人のはずが、新しい仲間が増え、最後には家族が7人になる!?

フランスコメディを観てみよう!

 最初に知っておいて欲しいのは、フランスのコメディ作品という点です。アメリカのコメディ作品を多く観ている方も多いと思いますが、また少しツボが違います。作品にもよりますが、これから笑わせるぞ、わはは!という流れが掴みやすい映画が多くある事に対して、フランスの映画は、スーッと笑いに入って行き、わはは!となる事もあれば、それ笑って良いの!?と思わされる様な流れに繋がる事もあります。または、ここは笑わないのか?と思わせられたり、メインの人物の後ろで笑うべき事が進んでいたり等。それは、国による価値観の違いからなのでしょうが、そんな違いを感じるのも面白い点です。

アクションと躍動感

 フランスを代表する映画・『TAXI』は有名ですね。ものすごいスピード感で、最初から最後まであっという間の躍動感です。同じ様なスピードではないですが、冒頭から後半まで車が動いているシーンですので、爽快です。

 ただのギャグ映画ではないと分かるのは、そのアクションシーンです。暴走車を様々な角度から撮影し、それを追いかける車やバイクもスピード感があります。特に、車を乗り換える体を張ったシーンは、とても印象的です。

 また、暴走車を追いかける暴走車がいます。途中から、フロントガラスもドアもなくなりますが、速度はおとしません!このアクションも迫力があります。

ユーモア

 この映画のブナム監督は、「私にとって何より魅力的だったのは、アクションとコメディを混ぜ合わせることなんだ。それによって映画の内容が豊かになり、同時に突飛な面も生まれる。」と、魅力を語りました。

 また、「この家族に起こるのは大変なことなのに、そこにユーモラスなコメディも見ることができるんだ。映画全体の雰囲気とユーモアに今という時代が見られると思う。撮影技術的なことだけでなく、全体として醸し出される現代性を重視したんだ。」と伝えています。

 この映画のすごい点は、シチュエーションは変わらない中で、どんどん状況が変わっていく事。同じ空間内で、蜂が入って来たかと思えば、トイレを我慢できなくなり、おじいちゃんの元カノの話になったかと思えば、アルコールを隠れて飲みだす。整形外科医で優秀な夫かと思いきや、沈静化した不倫もあったと分かる。美しい奥さんには酷な話だと思いきや、奥さんにも若い男から電話が掛かってくる。普通に座って話していてもてんやわんやな内容ですが、これがブレーキが利かなくなった車の中で行われているから、面白いです。

マーベルオマージュ

 主人公である父役のトムを演じるのはホセ・ガルシア。 「あ!見た事がある!『アイアンマン』の人だ!!」と、思う方も多いはず。でも違うのです。アイアンマンは、ロバート・ダウニーJr.です。ホセ・ガルシアは、フランスの実力派俳優です。

しかし、トムが、最新のカーナビゲーションのシステムと会話をするシーンでは、『アイアンマン』の人工知能・ジャービスに酷似した画面が出て来ます。

 そればかりか、トムの息子は車内でハルクのマスクを被ります。

これは、ホセ・ガルシアが、ロバート・ダウニーJr. に似ていると話題な事もあり、監督が取り入れたマーベル・ユーモアの様です。なかなか粋な演出ですね。

個性的な登場人物

アンドレ・デュソリエ
 数々の厄を連れてくるおじいちゃんを演じたアンドレ・デュソリエ。 フランソワ・トリュフォー監督作品や、アラン・レネ監督作品に数多く出演している有名な俳優さんです。真面目な役が多かったですが、この作品ではお茶目さがたっぷりと出ていて、演技の幅を感じさせられます。

 作中では、あまりにも違いすぎるおじいちゃんと、しっかりした息子。本当に実の息子なのか!? それは最後を観てください。

ぶっ飛んでいる子供達
 個人的に一番好きなのは、子供達です。首無し人形を部屋に飾るところも変わっていますが、ブレーキが利かない中でも、比較的落ち着いていて、お母さんの秘密も打ち明けてしまうところが、なかなかシュールなキーパーソンです。暴走中も、ピエロのマスクを着けているので、遠巻きに見て、テロリストが乗っている様に見える位異様なのに、その空間にマッチしている。普通にいたらおかしくない!?と思うと、クスっと笑えます。旅行先で使おうと、内緒でしれーっと持って来た水中銃が、まさか役に立つ展開になるとは、思いませんでした。

カーディーラー
 家族以外にも、個性的な登場人物が多く出てきます。注目して欲しいのは、欠陥車を売ったディーラーです。クレーム対応中に、後ろでも大変な事が起こっています。メイン人物の後ろでも事が進んでいるという撮り方が上手な監督です。

おしゃれさを探してみよう!

 フランス映画に共通するのは、お洒落な所だと思います。風景であり、小物であり、服装であり、髪型等にも表れています。そこで、細かい部分に目をやると、美しいなと思うところが沢山あります。

子供部屋
 色使いが新鮮です。特に子供部屋は個性的!背景のセットも良くできています。

キッチン
 キッチンは広くて壮大ですね。いかに豪華な暮らしをしているのかが伺えます。シリアルもカラフルで素敵です。

トイレ
 シンプルにまとまっていますね。おじいちゃんが詰まらせたトイレがどうなるかは、後のお楽しみですが。。

先進的な車
 車はメドゥーサという新車です。名前からして怪しいですが。。バキッとした色味が、とてもお洒落です。

まとめ

 親身になればハラハラするし、意味を考えすぎれば笑えない。先を読もうとすれば、読めずに苦悩する。だから、お菓子等を用意して、そんな事ある!?と、気楽に笑って、リフレッシュして欲しい映画です。最後のエンディングにも映像が出るので、観てみてください。

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