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【映画感想】『すずめの戸締まり』の世界観と音楽がすごい!

去年2022年に公開され、大いに話題となった
新海誠監督の「すずめの戸締まり」。

そろそろ劇場公開も終わりつつあり、配信等で観てみたいという方もいるのではないでしょうか?

そこで今回は、「すずめの戸締まり」のレビューや魅力を紹介します。

劇場公開を見逃してしまった方や、配信に向けて観るのを迷っている方はぜひ、参考にしてください。

物語のあらすじ

九州の田舎に住む高校生(17歳)の岩戸 鈴芽(すずめ)が、風変わりな雰囲気の青年、宗像 草太と出会い、2人で災いを引き起こす「扉」を探す旅の様子を描いた映画。

前作と今作『すずめの戸締まり』の比較

新海誠の最新作「すずめの戸締まり」を観てきました。
前作の「君の名は。」と「天気の子」と比べて、今作の魅力をお伝えしていきます。

まずは2016年に公開された「君の名は。」
美しい空気感で描かれる残酷な展開、それらを綺麗にまとめるラストは見ていてとても心地よく、一気に新海誠監督の作品に惹き込まれるきっかけには十分でした。

その後に公開された「天気の子」は、急展開で進むストーリーにかなり驚かされたものの、「君の名は。」よりさらに精巧で美しいアニメーションの表現力や、「君の名は。」に出てくるキャラクターのファンサービスなどもあり、自分の中でとても印象深い作品として心に残りました。

そして今作の「すずめの戸締まり」。
予告編や特報を見た時点では、主人公が様々な人と出会いながら旅をする、ファンタジーと現実を織り交ぜた世界観の作品、という第一印象でした。
「映像は綺麗だけど、旅をするだけの退屈な映画になるんじゃないか」と少しだけ危惧しながら映画を観ました。

しかし、観たあとの印象はかなり新鮮で、満たされるような、胸が熱くなるような気持ちでいっぱいになりました。

この作品で大きな魅力を感じられた点は、主に演出面です。大きく分けて2つあります。

魅力1:引き込まれる『世界観』

二人の旅を描くというシンプルな構成に、新海誠監督の売りでもある美しい色彩とアニメーションがとても映えていました。明るく柔らかなシーンにも、おぞましく薄暗いシーンにもそれぞれの美しさを感じさせる表現力は、作品に没頭するのにふさわしいものです。

また、新海誠監督の作品には時折自分達にも馴染みのある場所や商品が登場します。

すずめ達が立ち寄る駅や廃墟、フェリーに電車などは、全国にモデルとなる場所が多々存在しています。

作中には私たちが普段使っているLINEや、
旅先でもお世話になるGoogle MAP、
日本各地何処にでもあるマクドナルドなどが登場し、まるで本当に旅しているかのような臨場感と共になんとも言えぬワクワクした気持ちと安心感を感じることができます。

よく知っているからこそ作品への没入感が増し、細部まで見てみたいという気持ちにさせてくれる小ネタがたくさん仕込まれているのです。

どこを切り取っても美しいのに、ところどころで親しみを感じられる。
物語をより近くに感じられるようになっているのが、この作品の魅力を支えている大きな柱になっていると感じました。

魅力2:印象に残る『音楽』

君の名は。の頃から携わっているRADWIMPSの作る、幅広いシーンや雰囲気を表す音楽は、視覚で訴えるアニメーションと合わせて、聴覚から作品を支えています。

美しいアニメーションに映える荘厳なオーケストラや優しいピアノはもちろん、場所が変われば日本らしさを感じさせる和楽器の音、スピード感のある場面では疾走感全開のジャズなど、シーンに合わせて様々なジャンルの音楽が流れ、作品に彩りを与えてくれていると感じました。

さらに、音楽に関しては他の新海誠監督の作品とはまた違う、とても印象深い使い方がされています。

上でも述べたように新海誠監督の作品には、自分たちにも馴染みのあるものが度々登場するのですが、何より作中で印象深かったのは、
その1つとして「皆が何処かで1度は聞いたことがあるであろう有名な邦楽」が、シーンの一部として織り込まれていることです。

それまでの様々なシーンに寄り添ったインスト曲から一転、聞き覚えのある曲が耳に入ってきた時は、今まで何度も聞いた曲の新たな一面を知れたようで、ぐっとテンションが上がりました。
新鮮さを感じさせながらも作品と自分たちの世界を一気に引き寄せる素晴らしい演出だと思いました。

また、観終ってからの余韻に浸りながら曲を聞くと、第2のエンドロールのような、もう一度旅を振り返っているかのような、しみじみとした気持ちになれます。歌詞の意味も、今までとは違って聞こえるのがまた新しくて、ワクワクした気持ちになれます。

音楽はアニメーションと違って目には見えないものですが、だからこそ目視できない作品の空気感を形作り、映画を観ている間も、観終わったあとでも、作品を感じられます。

作品にとって大切な一端を担う音楽に、身近な曲を入れることによって親近感を与え、作品をより印象深いものにする、
とても良い音楽の使い方だと感じました。

まとめ

美しくも親しみを持てるアニメーションと、映像に寄り添う音楽のふたつが見事に調和した、素晴らしい映画でした!

きっと文字として読んだだけでは分からない体験ができると思います。

ぜひ自分の目や耳で、この作品に触れてみてほしいです。

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