今回は、全米で長年人気を博したTVドラマシリーズ「スーパーナチュラル」について、ご紹介したいと思います。
あらすじ
1983年、アメリカカンザス州ローレンスのウィンチェスター家は、いつも通りの穏やかな夜を迎えた。ふと目覚めた母メアリーは、生後6か月のサムの部屋へ向かうと、父親のジョンが見えた。安堵して寝室に戻る途中、別の部屋でTVを見ているジョンを見付ける-。では、あのジョンは一体誰だったのか!? 恐怖に襲われた母親は、慌ててサムの部屋へ向かう。
母親の叫び声を聞いた父ジョンは、急いで子供部屋へ向かった。部屋では、赤ちゃんのサムがベッドで笑っており、ほっとしたジョンはサムを抱き上げた。すると天井から黒い何かが流れ落ちた。。驚いて見上げると、腹部から血を出し、天井にはりつけにされているメアリーがいた。その瞬間、大きな爆発があり、あたり一面炎に包まれてしまう。父ジョンは、サムを幼い兄ディーンに預け、逃げ場を確保し、何とか3人で無事に脱出する。
長い間ジョンは、メアリーを失った焦燥感から抜け出せずにいた。あの日の事を調べて行くうちに、メアリーを殺害したのは、科学では解明できない超常的なものだと突き止める。そして、ゴーストや魔物を狩るハンターとなる決意をする。
時は流れて22年後のアメリカ。ジョンの姿はそこにはなかった。ジョンは幼い2人にハンターの能力を付けさせようと試みて来た。ディーンはそんな父を尊敬して育ちハンターとして生きる反面、サムは普通の生活を望み、弁護士を目指す様になる。そして、サムは大学に進学し、兄弟は別々に暮らしていた。
そんな時、突然姿を消したジョン。ディーンは、父を探しに行こうとサムに伝える。サムは賛同しなかったが、恋人の死をきっかけに旅に出る決意をする。これが兄弟の生誕、そして家族の歴史を探す物語の始まりになった。
一見平穏で幸せにあふれた母メアリーが、何の意図もなく殺され、とても不幸に陥った様に見える。しかし、そこにはジョンも知らなかったストーリーがあり、その真実を兄弟が探って行く。様々な出逢い、別れを繰り返し、兄弟は絆を深めていく。半信半疑だった超常現象や超常的な生きものについても確信を持ち、やがてその繋がりを自分達の力で見出して行く-。
全米大ヒットのポイント
アメリカの話題ドラマシリーズです。一見、無差別な殺人から引き起こされた事件解明ストーリーの様に見えますが、そこには壮大な歴史、そして神話に基づいた複雑な縁が交差している事が分かっていき、引き込まれて行きます。そこが全15シーズン続く人気作品になっている理由です。作中には、戦闘シーン、除霊シーン等、様々なシーンが出てきます。お化けものというと、スプラッターやグロテスクな表現が出てくるのでは！？とお思いかもしれませんが、エグすぎる表現は、あまりありません。その為、ホラーものは思い出すのが怖すぎて観れない！という方にも、比較的観やすいドラマになっていると思います。
また、兄弟愛も見どころです。力強い兄のお茶目な一面、頼りなかった普通の大学生のサムが、兄を助ける偉大な存在に成長する所も、応援したくなるポイントです。全米を旅するので、一緒に旅をしている気分になれるのもお得ですよ。
作中では天使の名前、悪魔の名前が多く出てきます。ゲーム好きな方なら一度は耳にした事があるはず。この天使って何で有名なのかな？と調べたりしていくと、ドラマの流れと、神話の繋がりが見えてきて面白いはず。この部分ではエヴァンゲリオンに似ているかもしれませんね。
注目のイケメン俳優共演
このドラマで一番話題になった事は、主人公兄弟がイケメンすぎる事！力強い兄のディーンに、ジェンセン・アクレス。優しい弟サムを、ジャレッド・パダレッキが演じます。兄役のジェンセンは、イングランド、ドイツ、スコットランドの血を引いており、ヘイゼルグリーンの眼差しで端正な顔立ちの俳優です。弟役のジャレッドは、ポーランド人の祖父を持ち、小さなころから演劇を初め、「ギルモアガールズ」や「ER緊急救命室」出演。「WALKER」では主演・製作総指揮を行う多才な俳優です。
作品の中では、弟ジャレッドの長身に目が行き、お兄ちゃんが少し小さく見える事があります。しかしそんな事はありません！兄のジェンセンは186㎝で、とても長身です。ジャレッドはというと、194cm！まわりが小さく見えてしまうのも無理はありませんね。ウィンチェスター兄弟はどちらも長身で手足が長いので、動きがダイナミックです。ぜひそんなところにも注目してみていただきたいです。
ウィンチェスター兄弟は、2人が揃えばジョークが飛び交う間柄だそう。プライベートでも仲が良く、互いのインスタには家族同然として載っています。演技は俳優の内面がそのまま映し出されるもの。役に入り込めていなかったり、仲が悪かったりすると、観ている中で、どこか違和感があったりします。その点、心から信頼できる2人は、本当の兄弟を演じられたのでしょうね。
このスーパーナチュラルシリーズ、どちらも実際の兄弟の声がナチュラルで、字幕版が人気でした。ただ、話題になったのは第3シーズンからの吹き替えです。ディーン役をプリズンブレイクのマイケル・スコフィールドの吹き替えの東地広樹さんが行っています。とても迫力のある力強い声なので、第3シーズンからは、そちらも楽しんで観ていただきたいと思います。
登場人物についての裏話
弟のジャレッドは、この共演がきっかけでルビー役のジュヌヴィエーヴ・コルテーゼと恋に落ち、結婚をしました。花婿付添人は、ジェンセンが行ったそうです。今は二人にそっくりの可愛らしいお子さんと一緒に生活をしています。とても微笑ましいですね。結婚10周年にはこんなメッセージを公表しています。「前世でどれだけの事を成し遂げれば、この素晴らしすぎる女性と、この人生を生きられる事になるのか僕にも分からないよ。世界一ラッキーな男だね。更に一万回繰り返したい。」過去世も今世も来世も繋がるこのドラマに添った愛溢れる内容でした。
第13シーズンの13話では、兄役ジェンセンと2010年に結婚したダニール・アクレスが、霊媒師シスター・ジョーとして出演。その後、度々登場します。2人はTen Inch Heroで共演し結婚に至り、今は3人のお子さんに恵まれています。
実は作成当初、第3シーズンからレギュラー出演しているルビー役は、「ヴェロニカ・マーズ」の主人公役、「Heros」の超能力者エル役等、アメリカンドラマに数多く出演し、ドラマシリーズ引っ張りだこだったクリスティン・ベルで書き上げられていたそうです。クリスティンが出演を辞退した後、「ゴシップガール」のジュリエット役や「ARROW」のブラックキャナリー役を務めたケイティ・キャシディが抜擢されました。
作中の品々についての裏話
話題になったのは、人物だけではありません。少しネタバレになりますが、武器の存在にも注目が行きます。隠された父親の武器で、木のバットに有刺鉄線が巻いてあるもの。強烈なインパクトを受けますね。あれ？どこかで見た事があるなとお思いの方もいると思います。そう、「ウォーキングデッド」を観た方ならご存じの、ルシールです。ルシールは、ウォーキングデッドの登場人物、ニーガンの武器です。どうしてここで使われているのでしょうか？実は、ウィンチェスター兄弟の父ジョン・ウィンチェスターは、ウォーキングデッドでニーガンを演じたジェフリー・ディーン・モーガンなのです。ウォーキングデッドファンには嬉しい演出になっています。監督のユーモアが感じられますね。
また、特に兄ディーンが運転する車が渋いと人気になりました。これは1967年式のシボレーインパラです。インパラとは、アフリカのサバンナに生息する動物の事。優雅にたくましく生きるイメージですね。兄のディーンはこの車を作中で「Baby」と呼ぶ程大切にしているのが分かりますが、兄役のジェンセンも「撮影が終了したら、絶対テキサスに持って来て、弟役のジャレッドと一緒にドライブを楽しむ。」と言っていたそう。想いが詰まった車なのですね。ちなみに、車の中でディーンが歌い、サムにツッコミを入れられた歌は何か？という検索が多かった様ですが、あの曲はREO Speedwagonの「Can’t fight this feeling」です。
全米への影響力
このTVシリーズは、専門誌が作成され、特集イベントが数多く行われました。車のナンバープレートのミニチュア版も作られました。また、アニメーション化もされる程の人気でした。
ウィンチェスター兄弟の出身地、アメリカカンザス州ローレンスの市長は、ローレンスをウィンチェスター兄弟の正式な故郷として発表しました。いかにスーパーナチュラルが、アメリカに愛されていたかを物語るエピソードです。海外映画や海外ドラマを観て旅行がしたい、留学がしたいと思う人も多いです。もし旅をするなら兄弟の出身地を見てみては。ローレンスはカンザス大学(The University of Kansas)等、大きな大学もあり、神奈川県の平塚市の姉妹都市としても知られています。自身も行った事がありますが、ダウンタウンはお店が並んでいますが、少し離れると広大な農地が続くのどかな場所でした。こんな穏やかな場所で兄弟は生まれ育ったのかと考えると、とても身近に感じられると思います。
まとめ
家族の謎に迫る為の旅は、壮大な戦いに繋がっていきます。そんなストーリーに加え、様々な要素に注目しながら、インパラに乗って一緒に旅する気持ちで観てみてください。きっと楽しさの幅が広がると思います。
